パニック症

  • 心療内科・精神科

パニック症とは

パニック発作は突然起こる強い緊張で、動悸や胸痛、呼吸困難感、めまい、発汗などの身体症状を引き起こします。さらに、「また起こるかもしれない」との予期不安から行動が妨げられることもあります。パニック発作自体は危険でも健康に害を及ぼすこともありませんが、発作が頻繁に起こると生活の質が低下したり、その他の問題が生じる可能性があります。

有病率

日本における、パニック症の有病率はは約1%といわれており、男女比は1:2と女性の割合が高いと報告されています。また、発症年齢は男性が20歳代、女性が20~30歳代といわれています。

合併症

  • 予期不安:パニック発作を経験すると、また発作が起こるのではないかと不安になります。
  • 広場恐怖:助けが求められない状況(人混み、原っぱ、単独での外出)や避難ができない場所(電車の中、エレベーター、美容院等)を恐れて避けてしまいます。
  • うつ病:パニック発作の前後などに強い抑うつ気分が出現します。パニック症患者の約半数はうつ状態やうつ病が合併するといわれています。

症状

パニック症の症状には以下のものがあります。通常数分以内で最強点に達し、 5 分~ 30 分程度持続したのち、自然経過で消退します。

  1. 動悸、心悸亢進、または心拍数の増加
  2. 発汗
  3. 身震いまたは震え
  4. 息切れ感または息苦しさ
  5. 窒息感
  6. 胸痛または胸部の不快感
  7. 嘔気または腹部の不快感
  8. めまい感、ふらつく感じ、頭が軽くなる感じ、または気が遠くなる感じ
  9. 寒気または熱感
  10. 異常感覚(感覚麻痺または熱感)
  11. 現実感消失(現実ではない感じ)または離人感(自分自身から離脱している)
  12. 抑制力を失うまたはどうかなってしまうことに対する恐怖
  13. 死ぬことに対する恐怖

不安のサイクル

脅威を感じることでパニック発作が始まり、身体症状が起こるとそれが不安を強め、症状がさらに悪化します。その経験の繰り返しが、発作が起きる可能性を高めます。

パニック症の治療法

パニック症は、心理療法、薬物療法のいずれか、または両方を組み合わせて治療します。

  • 薬物療法

抗うつ薬:抗うつ薬(SSRI、SNRI)は、パニック発作の頻度を減らしたり、発作の重症度を軽減したりすることができます。

抗不安薬:パニック発作の治療と予防には、ベンゾジアゼピン系抗不安薬が用いられます。ベンゾジアゼピン系抗不安薬は不安を早急に和らげることができますが、依存などの可能性が指摘されているため、服用には注意が必要です。

  • 心理療法

認知行動療法:病気の根底にある、誤った思い込みに対する認知を修正し、行動を変容させていく治療方法です。

自律訓練法:心と体の緊張を和らげ、心身を安定させる方法を学びます。

暴露療法:不安な場面を計画的に経験し、不安が消える過程を体験を積み重ねることで、最終的には不安を完全にコントロールすることを目標にします。

自分でパニック発作を止めるには

  • 深呼吸の練習:過呼吸はパニック発作の症状の 1 つで、恐怖を増大させる可能性があります。深呼吸をすると、発作中のパニック症状を軽減できます。できるだけゆっくり、深く、やさしく鼻から息を吸い、口からゆっくり息を吐きます。目を閉じて、呼吸に集中します。
  • パニック発作を起こしていることを認める: 「パニック発作を起こしているのであって、危険な健康上の問題ではない」と認識すると、恐怖感を管理するのに役立ちます。発作は一時的なものであり、いずれ治まることを思い出すことが大切です。

最後に

パニック発作は、非常に不快なものです。身体に害はありませんが、精神の健康に悪影響を与え、好きなことができなくなってしまう可能性があります。

発作を治療するために、心理療法や薬物療法は非常に有効です。早期の治療開始が不安のサイクルを止めるきっかけとなるため、パニック発作が続く場合には早めの受診をご検討ください。

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